遺産相続についての基礎知識
「遺産相続」というキーワードを聞いて、どんなイメージを想像するでしょうか?
テレビやニュースなどで遺産相続に関するトラブルの話をよく聞くため、ネガティブなイメージを持っている人も多いと思います。
実はその通りで、遺産相続に関するトラブルって本当に多いんですよね。
私たちの事務所にも多くの相談をいただき、数々のトラブルを解決してきました。
遺産相続のトラブルは身内同士の争いになりますので、精神的にも本当に酷な問題なんですよね。
なので遺産相続のトラブルを円満に解決するには、相続問題に強い税理士事務所を選択することが重要です。
この記事では相続について詳しく書いていきます。
相続と聞くと難しい話に聞こえるかもしれませんが、わかりやすい説明を心掛けますので、難しい話が苦手な方もぜひ読んでみて下さいね。
そもそも相続とはどういう仕組みなのか?
遺産相続という単語はよく耳にするけれど、詳しいことがよくわからないという方も多いのでは?
ご自身に縁のないものだと、専門的なことをわざわざ勉強しておこうという考えにはなかなかなりませんよね。
ですが相続というものは皆さんが経験する可能性のあるものです。
今のうちに知識をつけておくことで、遺産相続のトラブルを回避することもできるかもしれません。
相続とは、ある方が死亡したときに、その方の財産を特定の人が引き継ぐことです。
わかりやすく書くと、亡くなった方の財産をその方の配偶者や子供などの関係者がもらうことですね。
亡くなった方を「被相続人」、財産をもらう側の人を「相続人」と言います。
また亡くなった方の配偶者や子供、親、兄弟姉妹などは「法定相続人」と言います。
法定相続人は民法で決められます。
そして遺言書で指定された、遺産を譲り受ける方を「受遺者」と言います。
亡くなった方の財産は「遺産」と言います。
相続の対象となるものは以下の通りです。
・現金や預貯金
・車や貴金属、骨董品などの動産
・借入金などの責務
・株式などの有価証券
・土地や建物などの不動産
・賃借権や特許権、著作権などの権利
つまりお金に関するものだけではなく、土地などの様々な権利なども相続の対象になるわけですね。
相続には3種類ある
相続する方法にも種類があります。
「法定相続」「遺言に基づく相続」「分割協議による相続」の3種類です。
法定相続は民法で決められた方が、決められた分だけを相続できるものです。
遺言に基づく相続は、亡くなった方が残した遺言書に基づいて相続の内容を決めるものです。
分割協議による相続は、相続人の全員で話し合い、遺産の分割方法を決めるものです。
相続人同士で話し合って円満に相続できれば1番いいのですが、遺言があれば原則遺言に乗っ取って相続を行うため、ここで揉める方たちも多いです。
遺言書がない場合は話し合いで解決するか、民法で決められた「誰がどれだけ相続するか」という内容に沿って決めます。
ここで問題になるのが、相続人が未成年だった場合はどうすればいいのか?ということですね。
もちろん未成年でも相続は受けられます。
ですが未成年には代理人を立てなければいけません。
通常、代理人は親が務めるのですが、親も子供も相続人の場合は相続人全員で遺産の分割協議を行うことがありますので、その場合は親が代理人を務められないことがあります。
なぜなら、この場合は親と子供が利益相反関係となるからです。
なのでこの場合は特別代理人を用意しなければいけません。
特別代理人は家庭裁判所に申し立てて選ぶことになります。
ここで選ばれた代理人が未成年者の代わりに遺産の分割協議や手続きなどを行うことになります。
(未成年であっても、結婚している場合などは成人とみなされることもあります。)
相続人といっても、血縁関係によって優先順位が決められています。
亡くなった方の配偶者は必ず相続人になります。
その次に相続できるのは亡くなった方の子供、もしくは孫です。(第1順位)
その次は亡くなった方の両親、もしくは祖父や祖母です。(第2順位)
その次は亡くなった方の兄弟姉妹、もしくは甥や姪です。(第3順位)
同じ順位に複数の人がいる場合は、全員が相続人になります。
ですが、優先順位の高い人が1人でもいる場合は、それ以降の順位の人は相続人になれません。
つまり第1順位の人と第2順位の人がいた場合、第1順位の人だけが相続人になります。
もし相続人の方も無くなっていた場合は、その方の子供が相続することができます。
被相続人の孫にあたる方ですね。
被相続人の孫が亡くなっている場合はひ孫が、被相続人の兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥や姪が代襲相続をすることができます。
(甥や姪が亡くなっている場合は、その方の甥や姪が代襲相続することはできません。)
この相続に関する優先順位というのは、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
血縁関係がある人すべてが相続人になれるわけではなく、配偶者と優先順位の高い人だけが相続人になれるんですね。
もちろん遺言書に特定の人物が相続人として指定されていた場合はその方に相続の権利があります。
遺言書は相続の面では最優先されますので、ここは覚えておきましょう。
遺言書は、「身内だから」と言って勝手に開けてはいけません。
遺言書は誰も手を加えていない正規のものと見なされないといけないため、手をつけていない状態で家庭裁判所に持っていかなければいけません。
家庭裁判所で遺言書の検認をしてもらい、検定済証明書をもらいましょう。
(ただし「公正証書遺言」や「自筆証書遺言書保管制度を利用していた自筆証書遺言」は、公証役場や法務局に原本が保管されるため、検認を行う必要はありません。)
遺言書がない場合の流れ
遺言書がない場合に誰がどれだけ相続するのかを、相続人同士で協議する場合は、以下のような流れになります。
まずは財産目録を作ります。
財産目録とは、亡くなった方の財産がどれくらいあるのかを調べることです。
まずは亡くなった方の財産をすべて調べて、財産のリストを作るのがいいです。
土地や美術品など、値段をつけるのに時間がかかるものもありますが、こちらもすべて評価額を決定しておきましょう。
そうすることで遺産分割がしやすくなり、正確に相続することができるようになります。
次に誰が相続人になるのかを確認します。
先ほども書いたように、亡くなった方の配偶者は必ず相続人になります。
そして子供や親、兄弟姉妹の順で相続人が決まります。
家庭環境によって誰が相続人になるのかが変わってくるので、しっかりと確認しておきましょう。
財産と相続人の確認が終わったら、次は誰がどれだけ相続するかを決めます。
法定相続であれば誰がどれだけ相続するかという割合が決まっていますが、分割協議による相続の場合は話し合いですべて決めることになります。
このような流れで相続が決まります。
遺産相続でトラブルがあった場合
遺産相続は何のいがみ合いもなく、スムーズに終えられることが1番ですが、時にはトラブルに発展してしまう場合もあります。
その場合は身内同士の話し合いだけでは収拾がつかなくなってしまうこともありますので、遺産相続に関して困ったことがあれば、専門の場に頼ってください。
【志賀暎功税理士事務所】では相続に関する問題を扱っております。
国税局での豊富な経験と知識がありますので、相続を円満に解決するサポートができます。
「無理なく」「わかりやすく」をモットーにしており、誠心誠意対応させていただきますので、気軽にご相談していただければと思います。